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CFRPめっき加工(素材:カーボン+熱硬化性樹脂)
弊社のCFRPめっき加工技術は、CFRPの母材樹脂の種類(熱硬化性・熱可塑性)
や成形方法(圧延、切削、熱処理、3Dプリンタ等)を選ばず、
あらゆるCFRPへの加工が可能なオリジナルの表面処理技術です。
100年以上に渡る技術ノウハウを駆使した、高度なプロセス開発能力と最先端の設備、
特殊な加工プロセスによって、金属膜の表面形成が難しいとされるCFRPに対する、
密着性の高い高品質なめっき加工を実現しました。
理想の軽量化材料CFRPが抱える課題を解決
CFRPには、高強度や高剛性といった特徴以外に
低熱膨張率や自己潤滑性、X線透過性などの特徴も兼ね備えています。
それらの特徴を生かすことで軽量化・大型化・小型化・省エネ化などが期待でき、
様々な用途、産業で幅広く使用されています。
しかし、導電性や耐熱性、紫外線や湿気(雨や霧)、海塩や摩擦などといった
対候性強度や耐摩耗性といった面にCFRPの課題がありますが、
弊社のCFRPめっき加工によって金属の性質を付加し、新たな価値を生み出します。
向上が期待できる機能性
①CFRP製展開パネルスロットアレーアンテナの開発事例
100kg級の合成開口レーダ衛星に搭載する展開式スロットアレーアンテナには、軽量化かつ衛星軌道上の熱環境に対して変形しない形状安定性が必要であり、そのため、給電回路及び放射回路が熱膨張率の極めて小さいCFRPで構成されるアンテナが開発されています。
CFRPの課題である導電性の低さを向上させるために、当社のめっき技術が採用されております。
(a)100kg級小型衛星から展開されたSARアンテ(4.9mx0.7m)
(b)開発中のCFRP製アンテナパネルの構造
出典:信学技報論文JAXA名誉教授、早稲田大学齋藤宏文先生、早稲田大学石村先生他
②CFRP成形品のめっき加工の事例
CFRP成形品に機能性を付与するため、高密着・高摺動性の
表面処理加工を1個から受託しています。
開発試作から数万個/月の量産化のご提案や、
製造コスト低減、生産性向上のための工程簡略化も可能です。
③提案事例 SMCプロセス(高摺動性めっき)によるCFRPの難燃化
めっき金属(銅やクロム)の熱伝導率はCFRPの母材に主に使用される
エポキシ樹脂に比べ300~1300倍以上の熱伝導率となります。
めっき被膜が素早く熱を拡散し局所的な熱の蓄積を回避するため、
CFRP成形品が燃焼することを抑制する効果が期待できます。
(難燃性試験UL-94 V-0適合)
(一財)化学物質評価研究機構 UL-94 V-0適合認定済
④提案事例 無電解ニッケルコンポジットめっきによる機能性向上
めっき金属の割れや剥離の原因である内部応力を緩和する独自のプロセスを開発。
中間層のめっきを厚膜化し、母型からのはく離や母材の変形のない
強固な密着を実現。同時に摺動性と耐摩耗性も向上します。